令和4年 第23回多聞会(檀信徒研修会)
[道元禅師様の和歌とお香とお抹茶〜ちょっと雅なひととき]

先般、5月22日(日) 午後1時より

第23回 多聞会(檀信徒研修会)が開催されました。

今回は、『道元禅師の和歌とお香とお抹茶』でした。

日頃、特に興味を持って詠む事ない和歌ですが、短い文面に深い意味が有る事を知る時間となりました。

道元禅師様の御在世の心情、永平寺の当時と今も変わらない様子を知る事で有難い思いを持つことが出来ました。

「耳は2つ、口は1つ、喋る倍だけ聞きなさい」

方丈様からのお言葉が、表の掲示板にありました

今頃の室蘭の気候は、室蘭弁で「ガスが掛かる」です

太平洋から流れてくる霧で、室蘭港が霞んで見えます

お寺の禅庭は、ツツジの花が綺麗に咲いていました

会場の中央に方丈様が用意された香木を使用したお線香が焚かれました。

方丈様より各々お仏壇で立てられるお線香も大切なお供えなので、出来るだけ良い物を選んで欲しい、ラベンダーなど香料を使ったアロマとして使用する物と区別して下さいとのお話しが有りました。お線香は真っ直ぐ上に昇る煙は大事なもの、煙の出ない線香は仏壇に供える物では無いとの事でした。

方丈様から道元禅師様の和歌が10首紹介されました
道元禅師様は『正法眼蔵』という大書を書かれましたが、
そのほとんどは漢文で、今の私達には難しく感じますが
和歌が少し残されています。方丈様の解りやすい説明から
道元禅師様の御在世の心情を、和歌を通じて知ることができました
有名な2首をご紹介します
「春は花夏はほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」
「草の葉にかどでせる身の木の芽山雲にをかある心地こそすれ」

和歌のご紹介が終わって楽しみにしていたお茶の時間です

この日の為に方丈様が吟味したお菓子と建仁寺の茶席、

茶礼で使われているお抹茶を方丈様が直々に点てられ

参加者皆さんで美味しく頂きました。

建仁寺は臨済宗のお寺で、京都で一番古い禅寺です

建仁寺開山・栄西禅師が日本の茶祖と言われています。

京都で有名な宇治茶も建仁寺開山栄西禅師から

茶の種を譲り受けた高山寺の明恵禅師

宇治で茶の栽培を始めたのが宇治茶の始まりです 

このような普段はまず頂くことが出来ない貴重なお茶を頂きました

元禄年間から続く姫路市の御菓子司、伊勢屋本店の 
「玉椿」という有名な求肥のお菓子です。
天保年間、11代将軍徳川家斉の娘と
姫路城主酒井忠学との婚礼の頃に作られました

美しいお菓子です。婚礼に出されるのでしょう

最初のお香は、貴重な沈香のお香でした。次のお香は白檀の香りです。

香木を使った本物のお香は、部屋への残り香が少なく、

良く言われる「お線香臭い家」となりにくいので

仏事ばかりではなく、お客様のおもてなし等に使えます。

廉価なお線香と、香木を使ったお線香はとても違います

皆様も香木を使った昔からのお線香を楽しんでみてください。

御寺族様と方丈様のお嬢様がお手伝い下さいました

いつもありがとうございます。

方丈様のお点前で美味しく頂きました

頂き終わったところで、もう1つお菓子を頂きました

伊勢屋本店さんの「禅の心」というお菓子です

口という字を共用して「吾唯足知」という言葉を表現しています

「吾唯足知」はお釈迦様の遺教経の知足の心から引用されたもので

吾れ唯だ足ることを知る(われただたることをしる)

自分が満たされている事を知りなさい

という意味を表していて、有名なものでは

京都龍安寺の蹲踞(つくばい)がございます。

お菓子を通じてお釈迦様の教えを知ることができました。


コロナ禍に有り中々集まる事が難しい日々が続いて居りましたが、少しずつ感染対策を続けながら、今迄の当たり前を有難い、嬉しいと改めて感じる事が大切と思います。

次回の多聞会にも、皆様ぜひお越しください。

ーーーーーーーーーーーーーご案内ですーーーーーーーーーーーーーー

第23回多聞会
『道元禅師様の和歌とお香とお抹茶〜ちょっと雅なひととき』
曹洞宗、大本山永平寺をお開きになった高祖道元禅師様が数多く残された和歌をご紹介、解説させて頂きます。また、心落ち着くお香とお抹茶を楽しんで頂きます。
方丈様が自ら選んだお香と方丈様が吟味したお菓子と点てるお抹茶を楽しんで頂きほんのひととき雅な時間と一味の禅を感じて頂きたいと思います。
和歌、お香、お抹茶、ですが、どなたでも気軽に参加出来ます。是非ご参加下さい。
年度当初予定では5月29日の予定でしたが、
5月22日(日)午後1時からに変更となりました。
皆様、どうぞお越しください