方丈さまのつぶやき【お寺の開花宣言】

コロナ、コロナで季節の移変わりも忘れてしまう昨今ですが、今年も間違いなく春がやってました。お寺の紅梅白梅が数輪咲き始めました。開花宣言です!
昨年より一週間程遅い開花です。
例年この時期、大本山永平寺報恩大法要修行の為他出(留守)をしている私は開花から満開をこの目で観る事が出来ず、想像と撮って貰った写真でしか有りません。
しかし、皮肉にも今年はコロナ感染拡大の影響で開花から満開、散花迄観れそうです。ウソとヒヨドリさえ来なければ⁈
梅は禅寺で特に多く観られる樹木です。世間では毎年、桜!桜!と花見等で賑やかになりますが、寒さ厳しい冬が漸く過ぎ春の兆しと共に蕾が膨らみ華咲く梅は禅修行と重なるところが有る様な気がします。大本山永平寺を御開きになられた道元禅師様も、またお師匠様の如浄禅師様も永平寺の歴代禅師様も梅を愛され漢詩も沢山残されて居ります。
『梅経寒苦発清香』(梅は寒苦を経て清香を発す)梅は厳しい寒さを経るから素晴らしい香りと花を咲かせる、、、
私は梅の華を観ると大本山永平寺修行時代、仏殿前に咲く紅梅白梅を辛く苦しく暗い気持ちで眺めた事を思い出します。でも私は梅が大好きです。何故でしょう、、、